聴覚は加齢に従い衰えます。
30才であっても、既に20才の頃より聴覚は衰えています。
20才であっても、10才の頃より既に聴覚的には衰えています。
加齢に伴い、人は高音域から聞き取りにくくなっていきます。
子供には聞こえるけど大人に聞こえないモスキート音などはまさしくそれです。



さて、うちの母ですが、普通に家の中で会話している分には全く支障が無く、耳が遠いとは思えません。

でも、例えば一緒に買物に行ったりすると分かるのですが、少し距離が離れてしまうと、後ろから私がいくら呼んでも無反応。かなり大声で呼んでも無反応。
なので、彼女が若い人と同じに聞き取れる範囲としては、半径1メートル以内、そして彼女の主に前面に限られる。その範囲から外れると急速に聞こえにくくなる。…と思われます。
普通に平和に生きている分にはそれでもあまり支障は無いかもしれません。支障が出るとしたら危急の時ですかね。

背後から暴走車が迫っている。
背後から刃物を持った暴漢が走ってきている。
背後から「危ないよお婆ちゃん避けて!」と通行人が叫んでくれている。


極端なたとえですが。そういうのが聞こえないんじゃないかと思う。
そうなると当然聞こえる人なら出来る危機回避行動がとれないということです。
やはりお年寄りは、できうる限り1人で出歩かせない、付き添ってあげたほうがいいのかなと思います。


さて、タイトルの電子音の話ですが。

年寄りの音の聞こえにくさには音程もあるけど音の質も関係あるんじゃないかと、母を見ていると思うです。

だって、時々隣の子供の「ままーごめんなさいーもうしませんーぎゃー」みたいな泣き声や調子っぱずれの歌声が聞こえたりするんですけど、「今日はうるさいねえ」と母はそれはちゃんと聞こえてるんですよ。子供の泣き声や金切り声は、かなり甲高いのにかかわらず。
一方、私の携帯電話の着信音や、インターフォンが鳴っても、全くの無反応です。かなり近くに居ても無反応です。
あと、興味があるものや好きなものは聞き取りやすいのか、犬の鳴き声などは、かなり遠くても反応します。

総合的に言うと、音域にかかわらず無機質な音、電子的な音には、母の耳は反応が悪い気がします。



お年寄りの家のインターホンや目覚まし時計などは電子音でなく犬などのその人の好きな動物の鳴き声にするとか、人声で「誰か玄関に来てますよ」とか「朝の6時ですよ」とか言ってくれるものの方が有効なのではと思ったりします。