餅や団子を食べさせるときには、介助者も最初から気をつけるでしょうが、一見危なそうに見えなくて実は危ない食べ物もあります。
理論や理屈でなく、高齢者の多い病棟で働いた実体験からの危険な食べ物たちを挙げます。


まず第3位。「酢の物」
酸っぱさが誘発するのか、ムセ込む人が大変多いです。
まあこれは、意外というより当然な感じでしょうか。
中の具材のもやしやわかめ、きゅうりなど、給食が頑張って小さく小さく刻んでくれてあるのですが、その甲斐なく、あちこちでブホブホ複数の方がムセまくります。
お酢は体にいいのは分かっているのですが、食事の見守りや介助をする立場からいうと、「やめてー。出さないでー」と叫びたくなる一品です。

第2位。「刻んだわかめのみそ汁」
「刻んだ」というところが恐らくポイントかと思います。
普通食でないいわゆる「刻み食」ですね。お年寄りが食べやすく、消化しやすく、誤嚥しにくいように、刻んでくれてあるのです。が。
5ミリ~1㎝各くらいに刻まれたわかめ。これ、大きいままのわかめだったら、汁と一緒にすすり込もうとは思わない…と言うかできないと思うのですが、なまじ小さくなっているため、高齢者はこれを汁と一緒にずずずと啜ります。そしてむせます。
みそ汁のわかめに限らず、よかれと思って刻んであることがかえって良くない結果になっていることが、結構あります。

第1位「マッシュポテトサラダ」
刻み食というよりミキサー食ですね。歯の無い方でも食べられるようになめらかになめらかに作られています。
このなめらかさが仇となります。
なめらかゆえつるりと喉の奥に達し、そこでよく練られた粘性を発揮してぺたりと張り付きます。
ムセ込んだり咳き込んだりすることもできず窒息状態になります。タッピングするとマッシュポテトの塊がぽん! と出てきたりします。
私の職場では窒息のインシデントが何件か上がったあと、マッシュポテトはなめらかさと粘性が低くなるようにあえて粗めに練るようになりました。