ネットではよく目にしますよね。看護師の夜勤時のオカルト的な話。
病院という場所柄がそういうネタと親和性があるんでしょうね。

誰も居ない部屋のナースコールが鳴ったとか。
誰も乗ってない車いすが暗い廊下を滑走していったとか。
仮眠のベッドの下からなにかが這い出てきて足を掴んだとか。

残念(?)ながら自分には霊感はまるでありません。霊感というものがどういうものなのかも分かりません。
学生時代、“見える”という子などは、実習先の病院でいつも同じ階段の同じ隅に“居る”と言っていました。
着ている服まで分かるくらい鮮明だと言ってました。
でも特に悪い感じじゃなかったとも。
私も見られるものなら見てみたい気もしますし、見えなくて良かったような気もします。



他の病院や施設さんはどうなのか知りませんが、自分の勤め先は2名夜勤です。途中交代で仮眠を取りますので、全くの1人になる時間帯があります。

午前3時。
私は1人でナースステーションに居ました。
相方は仮眠中でした。
ナースステーション内も深夜帯は光量を半分ほどに落としてあります。病棟の廊下は常夜灯のみでほぼ真っ暗です。

その真っ暗な廊下を、すーと焦げ茶色の人影が通りました。

白い人影が通ったという話ならネットのオカルトサイトなんかでもよく見ます。心霊写真の解説では、白い霊より黒い霊や赤い霊が悪質だとかも読んだ覚えがありますが…茶色い霊は聞いたことがありません。

勇気を奮い起こして、ライトを手に私は廊下に出ました。

そこには全裸で全身うん○まみれの患者さんが立っていました。
彼女の背後には点々と焦げ茶色の足跡が……



ラウンドも行かなきゃならないのに!
記録も書かなきゃならないのに!
早朝の採血や検温や経管栄養の準備もしなきゃならないのに!
この事態をどうすりゃいいんだあぁぁぁ!!!



…恐怖と言えば恐怖の体験でありました。