かつて私はバブルに乗り遅れました
その昔「バブル期」というものがありました。
普通のOLや主婦が株を買ったり不動産を転がしたりしてました。そして普通に利潤を得ていました。
私の周囲の知人にもそういう人がゴロゴロ居ました。
なので私も興味津々でした。
特に知識の無い知人達でも出来るのなら自分も出来るのでは? と思いました。
当時、アルバイトの小娘でも月の手取り30万くらいはありましたので、不動産は転がせないまでも、ちょっと株を買うくらいのお金の余力はありました。
しかし私は、小心者で疑い深く、そして旧式の考えの人間だったので、「楽して不労所得が得られるなんておかしい。そんなうまい話があるわけない」と思ってしまい、なかなか行動に移せませんでした。
私がぐずぐずしている間にも、好景気は続き、株や不動産をやっている人たちはますます豊かになっていきました。
やばい。乗り遅れる。
いよいよ私も株をやろうと決意しました。
しかしいくら知識がなくてもできるとは言っても全く何も知らないままで始めるのは危険だろうと思いました。
通信教育の「株の基礎講座」みたいなのを私は受けることにしました。
費用がいくらだったか覚えてませんが、1万2万では無かったような気がします。もっと高かった。
でもこれから濡れ手で粟ならぬ濡れ手で現金つかみ取り状態になるのだと思えば、安い投資だと思いました。
教本は「経済の基礎」から始まっていました。
はっきり言ってさっぱり分かりませんでした。そして面白くありませんでした。
当然と言えば当然で、私は株にも不動産にも本来興味はありません。ただ「楽して不労所得が得られる」点に魅力を感じただけなのです。学生時代も政治経済の授業なんて大嫌いでした。
さっぱり面白くは無かったけれど、折角買ったのだからとりあえず教本は全部読んでみようと思いました。
分厚いのが数冊あったので、なかなか読み終わりませんでした。
読んでいる間に、バブルがはじけました。
教本の続きを読むのはやめました。
株は、買いませんでした。
買う前にバブルがはじけた状況をラッキーととらえるべきなのか。
バブル初期から投資を始め、はじける前にやめておけば儲かったのだと考えれば、初動が激しく出遅れた状況をアンラッキーととらえるべきなのか。
何とも言えません。
ただ自分の精神衛生上そちらのがいいので、前者だと考えることにしています。
今は無職だし、今更株を買う事もないとは思いますが、もし買うことがあったら、短期での売買などは考えず、株主優待とかの特典を楽しむために所持していたいと思います。
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