母の脊柱管狭窄症は、ある日突然どかんと激痛が出ました。
突然だったので当然介護度も無く、介護用品もありませんでした。

母の、激痛が和らぐ姿勢は唯一右側臥位だけでした。要するに寝仏姿勢ですね。

立つのも激痛。歩くのも激痛。とりわけ椅子に座る姿勢は激痛。
…となると1番困ったのがトイレでした。

我が家は狭いマンションですから、母の寝床からトイレまでは、普通に歩けば10歩程度の距離です。
でもその10歩が母には無理でした。
恐らくは死にものぐるいでトイレには到着するのです。でも。

「痛くて怖くて座れないよう。だから立ってしてみたらびしょびしょになったよう(>_<。)」

…トイレの床はびしょびしょです。本人もびしょびしょです。

「そんなに無理してトイレ来んでも、寝たままおむつにすればええやん。痛いんやからしょうがないやん」
私は言い、母も「そうだね」と言うのですが、人間には長年のトイレのしつけが心身に染みこんでますので、いざやろうと思ってもなかなかトイレ以外では出せないのが普通です。母も「やろうと思ったけど、出ないよ(>_<。)」と言います。
「それにトイレくらいは最後まで自分で行きたいよ。そうしないと人としてなんか終わっちゃう気がするよ(>_<。)」

母のその気持ちも分からないではありませんでした。
しかし日に何度もトイレ床がびしゃびしゃになり、それを片付けるのも私もしんどい。年寄りは夜に何度もトイレに行きますので、私も夜通し起きていてトイレ清掃員をやることになり、それでは殆ど寝れません。

もう夜でしたので、包括支援センター等に相談も出来ません。
24時間営業のスーパーに行けば、一般的な形状の尿器は売っているでしょうが、あれは寝た姿勢の人に使うものです。トイレでしたい、でも立った姿勢しか取れないという母の用途には使えません。

仕方なく私は家にあるもので作ることにしました。

まずティッシュの空き箱を用意。

側面を切ります。

カーブをつけるのは、おまたに当てやすくなるかなと思ったからです。

取り出しの穴は別にほっといてもいいけど、一応塞ぎましょうか。
ガムテープでべた貼りでいいです。見栄えはこの際関係ないです。


プラスチックの板。なければプラの下敷きとか、ボール紙とかでもいいかもしれません。

ティッシュの箱だけだと、おまたに挟むと潰れてしまいます。潰れてしまうと中におしっこが入りませんので、プラ板のような弾力のあるものを中に入れます。

余った部分はカット。



スーパーのレジ袋にくるみます。撥水性があって穴さえ開いてなければなんだっていいです。

レジ袋とティッシュ箱が分離しないよう、適当にガムテープで留めます。

完成です。こんな感じで使います。

これをトイレに置きました。これをおまたに当てて排尿し、終わったら中身は便器に捨てます。
母は足は痛いですが両手は何ともなく使えますので、この作業は自力で出来ました。
それでも多少こぼれたものでトイレは汚れますが、床全面おしっこの海とか言う事態は無くなりました。

この簡易尿器で一夜を何とか乗り切り、翌日1番で病院に行きました。