実家ゴミ屋敷を日々片付けていて、逆にどうすればこんな汚屋敷になるのだろう? と考えてみました。

1、掃除はしない
これは基本です。床に落ちている埃も、壁にこびりついたヤニも、大切な汚部屋の装飾品です。

2、捨てない
「捨てる」のは悪魔の所業です。悪です。してはいけないのです! 壊れた電化製品もちらしの切れ端も洟をかんだティッシュを丸めたのも使用済みの爪楊枝も、決して捨ててはなりません。

3、ゴミ箱は置かない
或いは分かりにくいところに配置する。そして常にゴミを満タンに入れておく。
そうすることによって、魔が差してゴミが捨てたくなったときでもその行為に至らずに済みます。

4、わざと動線を入り組ませる
最短距離で家内を移動するなんて味気ないじゃないですか。家具はあえてジグザグに置いて、更に動線上に段ボールとか邪魔物を置きましょう。ああ、楽しい。

5、同種のものを1箇所にまとめない
1箇所にまとめたら、何が幾つあるか把握できちゃうじゃないですか。そんなのつまらないですよ。
かんなもトイレットペーパーも部屋のあちこちに散らせて潜めましょう。
使うたびにさがさなきゃならないって? 何言ってるんですか。そこがいいんですよ。宝探しみたいで楽しいでしょう?
え? 探し出せなかったらどうするんだって? そうしたら又買ってくればいいじゃないですか! そして使ったら又、部屋のどこかに置き去りましょう。


6、取り出しにくい場所にしまう
掃除機は机の引き出しにしまって、と。夏物の衣類は押し入れの一番奥でいいかな? 補聴器の電池は大事だからね、鍵の掛かる手提げ金庫に入れて、更にリュックに入れて、テレビの後ろに…よし、完璧だ。
え? いざって時にすぐ取り出せなくって使えないだろうって? そしたら又買ってくればいいじゃないですか! ものが増えるのはいいことですよ!

7、安全に配慮しない
そんなものに配慮してたらいい汚部屋は作れませんからね! 頭上に重たい鉄パイプを吊して、壁にはむき出しの配線をのたくらせて、傾いだテーブルには微妙なバランスで重たい置物を置いて、と…う~ん、芸術的だなあ!

8、財力、体力を顧みずペットを飼う
ペットだってきっとうちに買われてきて幸せだと思ってますよ。え? 自分が倒れたら世話はどうするのかって? 私は倒れませんよ。私は汚やかた様ですよ! 不滅ですよ!

9、煙草を吸う
ほら、どうですこの壁のこってりした飴色。床一面に散らばる焦げ跡の猛々しい美しさ!
新築にはない深みと重みがあるでしょう。あなたもそう思うでしょう。

10、買物大好き
ものは財産ですからね。金が減ってもものが残るからね。いやあテレビショッピングは楽しいですな。
なになにデジタルカメラ? よし買おう! パソコン持ってないけど。
なになに最新式の掃除機? よし買おう! え? 掃除なんてさせませんよ。これはね大事に引き出しの奥にしまっておくんですよ!