よそ様のブログで腰痛の話を読みまして、とても人ごとではありませんでした。


学生時代、それから看護師になってからも病棟の研究会などで、ボディメカニクスを学びました。
自分と相手とにいかに負担を少なく移乗や介助を行なうかという学問です。
てこの原理や摩擦を減らすなど、物理法則に則れば少しの力で効率よく作業が出来ますよ…という学問ですね。

学問ですから、間違ってはいません。

でも現場では使い物になりません。


患者さんが大の字になっているより手足を縮めてコンパクトになって貰った方が動かしやすいとか、腰を落として重心を下げた姿勢の方が腰を痛めない…とか、そんなことは物理学を知らなくても看護や介護をやる人なら経験的に分かっています。
分かっているけどそうできないことが、現場には多々あります。

疎通の取れない、介助に非協力的な患者さんは多いです。
ひっくり返った亀のように手足をばたつかせて介助に抗う患者さんに、「手足を縮めてコンパクトに」なんて不可能です。
ベッドサイドで足を前後に大きく開き腰を落として良い姿勢を取りたくても、Pトイレやら床頭台やら隣のベッドやらがあって、そんなスペースの余裕はありません。
個室で床面にゆとりがあったとしても、その床面とベッドのサイドフレームが泥状便まみれで、いい位置に足が置けない、なんて悲しい事態も普通にあります。

学問のたぐいを否定するつもりはありません。
知っていて損だとも思いません。
…ただ、現場とはかけ離れてるなあと思うことが、多いです…。