SNSのトレンドワードにパタリロが挙がっていたのでなにかと思ったら、映画化の話題でした。
あれを実写化するんだ…すごいな…というのはさておいて。

ものすごく懐かしい気がしたので調べてみたら、初出が1978年でした。
40年…大々長寿作品ですね。

連載開始当時は、自分はパタリロと同世代でした。
その内マライヒと同世代になり、バンコランと同世代になり…その後連載を追うのをやめてしまっていましたが…今だとサンダース部長とか警察長官と同年代です、なんと言うことでしょう。
サザエさん方式の作品を読んでいるとこういうこと起こりうるんですよね。
見始めた頃はワカメちゃんの世代だったのに、いつの間にかサザエさんの世代になっていて、ハッと気付いたら波平さんの世代が近かったり。
ハッと気付いたらゴルゴ13もジェームズ・ボンドも助さん角さんも自分より年下になっているんですよね…。

話が逸れました。パタリロ!の話でした。
絵柄も話も癖があるので好き嫌いが分かれる作品とは思います。
昔の著名な少女漫画のねたがちりばめられていたりするので、元ネタが分からないと読んでもしんどい部分もあります。
登場人物がホモだったりロリ/コンだったり、ちょっとニッチな味付けもされています。
ですが全くの低俗なギャグ漫画かと言うとそうでない部分が多々あります。
賄賂やその他モラル的にはほめられたものではない因習を一蹴したら国が立ちゆかなくなってしまったり、無名の一兵卒と世界平和に必要な立役者の命を秤に掛けて立役者をとる決断をパタリロがしなければならなかったりといった、なかなかシビアで鋭い部分があります。
私が一番印象に残っているのは、何故ですか神様と言いながら自分では抗おうとせず迫害され死に行こうとする信仰深い少年に、パタリロが何故神や仏に祈る前に自分で何とかしようとしないのか! と一喝する場面です。
宗教的観点からはパタリロの態度は或いは正しくないのかも知れませんが、ドライで現実主義で、自分の言動には自分で責任をもつべきだというパタリロの信念が強く前に押し出された場面で、へちゃむくれのちんちくりんでありながらパタリロが格好良く見えたシーンでした。