婆の介護度更新調査が先だってありまして。
要支援1から、要支援2になりました。

介護度は要支援1、2、要介護1、2、3、4の6段階あります。
なので要支援2は軽い方ですね。
世間では要支援の妻が要介護の夫を介護しているような、いわゆる老々介護が現在普通にあります。
要支援では介護される側でなく介護する側の役目が求められる場合があるのです。それくらい、既に日本の高齢化社会は深刻なのです。

うちの婆は確かに寝たきりではないし、酷い認知症状もないです。
配膳すれば、なんとか自力で食事が取れるし、軽介助で入浴や更衣も出来ます。

――しかし、裏を返すと、全く介助がなければ一人では食事も入浴も更衣も出来ないと言うことなんですよ。
自分で何とか汚れたリハパンを履き替えることは出来ても、出たゴミのゴミ出しにはi行けない。
汚れた衣類を何とか洗濯機に放り込むことはできたとしても、洗濯機の操作はできない。
トイレを汚しても掃除は出来ない。
室内に猫の毛が舞っていても掃除は出来ない。
何とか介助で入浴は出来ても、使用後の風呂掃除は出来ない。
当然一人で買い出しには行けない。
インターホンも風呂の湯張りもボタン1つですが、それすら出来ない。風呂の水栓のお湯と水の切り替え操作もできない。

それでは一人では到底生活できない、生きていけないです。
要支援2と言ってもそのレベルなのです。



兄弟の居る人はいいですが、私は一人っ子です。
私に万一のことがあったとき、この人はどうなるのか。
この家はどうなるのか。猫はどうなるのか。
片付け半ばの実家ゴミ屋敷は? 
宙ぶらりんになっている父の遺産相続は?

「私になにかあったら、とりあえずケアマネさんに電話をするように」
と婆には言ってありますが、包括に電話が通じるのは月~金までです。
土日は、マンションの管理人さんも居ないし、最悪の場合は同じマンションのご近所さんに助けを求めなさいと言ってありますが、ご近所さんだって留守の場合もありますし……



…とか考えると先行き不安しかありません。
介護者にとって辛いのは、移乗が重たくて大変とか、下の世話が辛いとかいう物理的なことよりも、「この先どうなるのか」「自分が居なくなったらどうなるのか」という予期不安の部分が大きいのではないかと思ったりします。



…よく介護疲れで殺人とか無理心中とか、切ないニュースがあります。
どんなにしんどくてもそれはいけないという意見が正しいのは分かります。
………でも…犯行に及んでしまった介護者の気持ちも正直よく分かります…。

私なんて実母で、たかだか要支援レベルで、まだ介護を始めて1年で――それでもしんどいなあと思うときは多々あります。



この国はどうなっていくのかなあ、と思う。
母の世代が片付いても、まだ駄目ですよね。
母の子の私の世代あたりまで人口がめっちゃ多いですから、そこまで片付かないと、高齢化社会をこの国は抜けられない。
あと30年40年あります。
…そこまでこの国の介護力や財力は持ちこたえられるのかな…?