自分たちでも、「若い頃はもっと体力あったなあ。それに比べて今は…」と思ったり、実際口に出したりはします。
でもそれは、例えば50代の人が「20代30代は酒を飲んでも次の日に残らなかったのに…」とか、40代の人が「20代くらいまではスキンケアなんてしなくてもお肌綺麗だったのに」…とか、比較対象がそんな突拍子もなく昔ではないです。

しかし、高齢者は突然「自転車が欲しい。乗れると思う」と言い出し、根拠を聞くと「高校の頃ずっと自転車通学だったから」とか、「なんでこんなに歩けなくなっちゃったんだろう。子供の頃は隣の市まで歩いて行ったりしたのに」…と、比較対象が自身の体力の全盛期であることが多い気がします。

そりゃあたいていの人は、子供時代は生活習慣病はないし、少し歩いて息切れしたり膝が痛んだりはしないでしょう。
子供時代に比べたら、20代30代の人だって「体力、落ちたわー」となるでしょう。

70代の人が50代60代に比べて「疲れやすくなったわー」とか、80代の人が70代と比べて「あの頃はもうちょっと歩けたのに…」というのなら、分かります。
でもそうじゃない。



加齢で色々衰えてくるのは当たり前。
ならば衰えた自分といかに上手く付き合っていくか、少しでも衰える速度を遅くするために何をどう努力するか。
と考えるのが現実的であり、生きるのが楽じゃないのかなあ…。

最高の時と比べて「こんなにも歩けなくなった」「こんなにあちこちが痛い」と嘆くのは、自分で自分のハードルをあげて苦しんでいるとしか思えないのですが、そういうお年寄りが少なくない気がします。うちの母もそうです。反面教師として、自分はそうならないように…と思っています。