えさの捕り方とか。
トイレの作法とか。

多分猫は、誰にも教わらなくても、ある程度のことは本能と自己学習で出来るようになるのだと思うです。

でも、子猫の時に親とか先輩猫に習えれば、より上手になるのかなと思うです。



…トラオは、まもなく生後1年になりますが、いまだにトイレで砂かけが出来ません。恐らくもう今後も出来るようにはならないでしょう。

トイレで用を足してくれるだけで、下僕は満足です。
子猫の頃、婆の布団や部屋のあちこちでやらかしまくってくれたときには、どうしようかと思いましたから。

そもそも猫が用を足したあとに砂を掛けるのは、自分の匂いを消して敵に察知されないようにするためらしいので、敵の居ないところに暮らすトラオには、不要な行為ではあります。



ただ、「用を足したあと砂を掛ける」本能だけは、トラオにも間違いなくあります。
ちゃんと用足し後に掻き掻きします。空中とかトイレの縁とかを。
俗に言う「エアー掻き掻き」です。

中途半端に本能が残ったその行為を見ると、単独室内飼いの弊害を見ているようで不憫でほろりとしたりしました。


しかしそんな不憫なお馬鹿な猫でも、自己学習はするのです。
最近トラオは、空中ではなく、砂の飛び散り防止に立ててある段ボールを意志を持って掻き掻きします。
ばりばり大きな音を立てて。
その音を立てると、気付いた下僕がやって来てトイレを掃除してくれることを、トラオは学習したのです。
トラオにとって、用足し後の砂掻き掻きは、隠す目的でなく、下僕呼出ブザーとして、意味のある行為となりました。




「…変なとこ撮るにゃー」



「下僕、来いにゃー」ばりばりばり



「遅いにゃ、とっとと来いにゃ」ばりばりばりばり