無職なので基本的にはいつでもお猫様の対応は出来ます。
パソコンの置いてある自室も、基本的には常にドアは開放してあります。

しかし、たまに、どうしてもお猫様には入って頂いては困る局面も出てきます。

例えば先日。
Wi-Fiの新機種が届きました。
2年おきに新しいのが来ます。

「無料でっせ。この機に換えないと、むしろ基本料が上がっちゃいまっせ。損でっせ。だから換えましょうや」

とかいうお勧めメールが来て、「だったら換えるしかないか…」という流れに。
多分契約解除されて他社に移られるのを阻止する目的だと思うのですが、まあ、実質負担額が増えずに新機種になるのなら…他社乗り換えもめんどくさいし…というわけで、毎回術中にはまり契約更新しています。

と言うわけで、新しいWi-Fiが届いたので、これはもうお猫様は部屋から一時退去して貰わないことには作業が出来ません。

・見慣れない小さな段ボール箱。
・それをがさごそ開梱している下僕。
・中から出てくる楽しそうなプラスチックの小箱やコードやビニール袋。
・下僕が拡げる取説の紙の魅惑的なかさかさ音。

…猫が大人しくしているはずもありません。


私はWi-Fiの入っていたビニール袋を小さく丸めて、
「ごめん。これで1時間遊んどって。終わったら又入れてやるから」
と言ってトラオを自室から追い出しました。

BBAの脳みそは劣化しているので、結局Wi-Fiの設定ごときに2時間掛かり、「1時間」というのは嘘になってしまいました。猫はちょっとすねていましたが、母の話によると
「私の部屋で、それでずっと遊んどったで、寂しそうに」とのこと。



話はここからで。
それから数日経つのですが、トラオは私のあげたビニールゴミを、後生大事にずーっと持っているのです…。
犬のように、それを咥えては持ってきて、投げてやると又拾ってくる。その遊びを飽きずに繰り返しています。

…そう言えば、母はトラオによく飴の包み紙とかスーパーの袋とかあげていたけど、私はトラオに何かおもちゃ的なものを上げたことは無かったかもしれません。

…ごめん、トラオ。
それは部屋から出て行って欲しいと言うだけの理由で与えたものなんや。
おもちゃでも何でもない。ただのゴミなんや。
ごめん。
そんなにお前にとって重要なものになるんやったら、もっと可愛いネズミのおもちゃとか、ちゃんとしたものを与えてやればよかった。