父が入院し、母が私の所に来て、実家は今廃墟に…じゃなくて廃屋に…じゃなくて空き家になっています。

何度か、母の衣類やら食器類やらを取りに行きました、母を連れて。…何しろゴミ屋敷ですから。母を連れて行かないと、どこに何があるか私にはさっぱり分かりませんので。

さて、実家に行くたびに、母は古びたお玉だとか土鍋だとか、変なものを執拗に持って帰りたがりました。かつて自分が料理していたときのお気に入りの道具なのかも知れません。
まあ、大して邪魔になる物でもないので、言われるままにそれらを持って帰ってきます。

そうやって母が実家から持ってきたものの1つに古い梅酒がありました。
「自分で漬けた。上手く出来た」
母は力説します。自信作らしいです。

3L入りくらいの瓶に入ったそれは、まるまる太った梅がごろごろ入っていて、漬け込んだ焼酎が飴色になっていて、かなりの年代物に見えました。
蓋を開けるとぷんとアルコールと梅のいい匂いがしました。

…しかしですね。私も母もアルコールは飲まないのですよ。

試しに梅を2つ出して母子で1つずつ囓ってみましたが、アルコールが強すぎて食べられたものではありませんでした。

そして2人とも、古い梅酒の料理への活用法を知りませんでした。すいません。私料理はからっきしです。

「折角漬けたのに…(。・ω・。)」
母は梅酒の利用法が無いことがとても残念そうでした。

なにかに使えないだろうか?

捨てるよりは…と思って、私はお風呂に入浴剤代わりに入れてみました。

これが意外と良かった。
梅を2、3粒と梅酒をコップに1/4くらい入れると、お湯がかすかに緑がかって梅酒の香りが漂って、そしてアルコールの効果でしょう、湯冷めしません。

母は「梅干しの湯」と言って喜んで入っています。