去年の9月か10月に、売れ残ってくたびれたカニシャボの鉢植えを買いました。
100円か200円で投げ売られてたと思う。
当然時期的に花芽は付いていませんでした。
老母が愛用の骨董品みたいな園芸図鑑で何やら調べていましたが、
「花芽を付けるには光に当てちゃいけないんだって」
と言いました。
「だから花芽が付くまで、ずーっと暗いところに置いとかないとね」
と。




光合成で生きる生命体をずーっと暗がりに??

老娘はちょっと疑問に思いましたが、園芸に詳しくないと自負していたし、まあサボテン類は特殊なのかもしれんと思って、老母の主張通り、部屋のカーテンの後ろの暗いところに、そのカニシャボの鉢を置いたのでした。

…そして、10月、11月と時は過ぎ。

花芽が付く時期になりましたが、そのカニシャボには全く花芽が付く様子がありません。
生存はしていますが、元気もありません。

さすがにこれはおかしいやろ、と老娘は思いました。
老娘「婆、ちょっとその愛用の園芸図鑑、見せてみ?」

そして図鑑を読んだ老娘に衝撃が走った…!
↑大げさ(^^;)

確かにその図鑑には書いてありました。
光の当たる場所に置かないようにと。
但し前後の文脈から『夜間は』の但し書きが付くことが明白でした。
室内に置く鉢植えは、日中陽が当たって、夜間は人工の照明が当たることになる、それだと花芽が付きませんよ…と図鑑は言っているのです。
要するにカニシャボもいわゆる短日性植物だよ、と言うことを図鑑は言いたかったのです。

Wikipediaさんに拠れば、短日性植物とは、
〈一日の日長が一定時間(限界日長)より短くならないと反応が起きないことを短日性といい、花芽の形成が短日性である植物のこと。(正しくは、短日植物とは、連続した暗期が一定時間(限界暗期)より長くなると花芽が形成される植物のことである。) 例としてアサガオ、キク、オナモミ、コスモスなどが挙げられる〉




老母にそのことを説明しようと試みましたが、
老母「えー。だって、光が当たると駄目って書いてあるもん(。・ω・。)」
老娘「いや、だから夜は駄目って話で…」
老母「本に間違ったことが書いてあるわけない。あんたがおかしい(。・ω・。)」
老娘「いやだから、本が間違ってるとかじゃなくて…」

説明することウン十回。
ようやく老母は、カニシャボをカーテンの後ろにしまわず室内に出しっぱなしにすることを了承したのでした。
多分、完全に理解はしてない。ただ老娘がうるさいので妥協しただけと思われますが。(^^;)

カニシャボを含め、花木の鉢植えは我が家では全て「洗濯部屋」に置いてあります。
洗濯物を部屋干しするためだけに使っている1室なので「洗濯部屋」と老母は呼んでいます。
台風の時以外にはカーテンは閉めません。
天気の良い日には冬でも窓は全開です。あ、トラオが居るから網戸は閉めてありますけどね。
洗濯物を干してあるだけの部屋ですから、夜間灯りを点けることもありません。
言ってみれば、天井が付いているベランダのようなものです。
だから、カニシャボは、そのままその部屋に置いておくだけで良かったのです。
そのままで、短日性植物の要求は満たせていたのです。


結局昨年は、花芽を付けないまま終わったカニシャボは、洗濯部屋に放置プレイされた今年、みごとな花を付けました。
老母はまだ「でも暗いところにおけって書いてあったんだけどなあ…」とブツブツ言ってますが、とりあえずきれいな花を見てご機嫌です。