1985年8月、日航ジャンボ機墜落事故。
しばらくの間、新聞やテレビの報道はこれ一色になりました。
自分が今後何歳まで生きたとしても、これ以上大規模でこれ以上悲惨なニュースにはお目にかかれないだろう。そう当時の私は思いました。


しかし。
1995年1月、阪神・淡路大震災。
テレビで見る被害の映像は、さながら地獄絵図でした。
この時も私は思いました。
今後どんなに長生きしたとしても、これ以上大きな事件事故のニュースにお目に掛かることはないだろうと。


しかし、2001年9月。アメリカ同時多発テロ事件。
テレビで見る被害映像は、地獄絵図過ぎてもはや現実味が無く、よく出来たCGのようでした。
私の中で、最大(悪い意味で)ニュースのトップが、また更新されました。


そして。
2011年3月。東日本大震災。
人や車や建物…いえ、町そのものが津波に流され消えていく映像は、現実味がなさすぎて、CGどころか大昔の特撮もののセットのようでした。
被災地から遠く離れた地域に住んでいましたが、それでもスーパーの棚から商品はなくなり、ガソリンスタンドからガソリンがなくなり、計画停電が実施されました。
地震の揺れそのものは瞬間的な出来事だけれど、原発事故という後世に長く長く残る問題も残しました。
今度こそ、私の人生で見聞きする最低最悪のニュースであろうと思いました。




――でも。
2019年末からのコロナ流行。

東日本大震災は未曾有の大災害だった。
でも、被災地から遠く離れれば無事な地域があった。
だから無事な地域から被災地へ援助の人や物資を送ることが出来た。

でもコロナの流行は、世界規模です。地球の全てが被災地で、どこにも逃げ場はありません。
罹患者。死亡者。後遺症が残った人。
全てにおいて、局所的な事件事故の規模を越えてしまいました。



今切実に思っています。
今度こそ今度こそ、これが私の人生の中で最大最悪のニュースに違いない。
そうであって欲しい。
これ以上もう、最悪を上書きする事件も事故も災害も、要りません。