トラオが体調を崩しまして、病院に掛かっています。
お注射とお薬で、だいぶ元気にはなったのですが。

よく食べるわりに、便通が無いのが気になりました。

ただの便秘ならいいけど。
イレウスとかだったらどうしよう。
おろおろ。

…って一瞬おろおろしかけましたが、思い出しました。

自分、看護師やん。
ステート(聴診器)持っとるやん!

勿論人間用のですが。
同じほ乳類ですし、猫にだって使えないこともないでしょう。
心音の異常を聴き分けるようなデリケートな使い方をするわけでもありません。
グル音(腸蠕動音)が確認できればいいんです。

最近すっかり鎌だのノコだのがデフォルト装備になっていたBBAは、久々に本来の仕事道具を身につけました。


トラオはちょうど寝ています。

左手で頭なんか撫でて、気を逸らしつつ、右手でステートを腹部へ…。

猫は胴長なので、どこが聴取にふさわしいポイントか若干悩みます。

ここか?
もっと下か?
いやこれは行きすぎか?

…と場所を探している内に。



ずごごごごごご。
ぐごごごごごご。


ものすごい重低音が、鼓膜に響いてきます。
心音とも呼吸音とも、お目当てのグル音とも違います。
人間の聴取では聞いたことの無い音です。

一瞬なにごとだと思いましたが。
すぐに気付きました。

あ、これ、喉鳴らしてる音や。

『喉』を鳴らすと言うくらいだから、喉部分だけの局部的なものかと思ってました。
腹部の方まで共鳴というか振動というか…してるものだとは知りませんでした。

もしかして、喉を鳴らすのって、結構体力使うんじゃないか?
飼い主は普通にごろごろを聴かせて貰ってるけど、あれを聴かせて貰えるのは、実はすごい大盤振る舞いと言うか出血大サービスと言うか、されてるんじゃないだろうか?
…てなことを思ったのでありました。


尚、グル音は無事聴取できました。
イレウスではありませんでした。
数時間後には排便が確認できました。