うちの母なんですけど。
立派な大動脈瘤が発見される少し前の話です。

「みぞおちが痛い。癌かも知れない。胃がんだ。胃がんだ!」
言い張って聞きません。

しかし本人は食欲旺盛。急激な痩せもなく。飲み込みの悪さや、食後の嘔気、嘔吐もありません。
だから胃がんはまずあり得ないこと、みぞおちが痛いのは他の原因ではないかということを、私は何度も説明したのですが、説明が全く入りません。

結局胃カメラを飲みCTをとり…主治医(優しい女先生です。母はこの先生が大好きです)に「全く問題の無いきれいな胃です」
と言われました。

「あー。良かった」
今度はあっさり信じます。

まあ、相手がプロのお医者さんなら、娘は負けてもよしとします。
問題はテレビ。

「テレビで○○を食べると心臓にいいってやってたよ!」

「糖質がいけないんだって。ご飯やパンを食べないで肉と魚食べてた方がいいんだね!」

全て鵜呑みです。

そして私が鵜呑みの危険性を一生懸命説明するのですが…入りません。

お母ちゃん、
テレビの言ってることは99%嘘なんよ。
いや、正確には嘘じゃない場合もあるんだけど、人によって年齢とか病状が千差万別でしょうが。
テレビで言ってることが当てはまる人は1%しか居ないくらいに思って見てないと、
間違った健康法はかえって危険なんよ!!

といくら熱弁を振るっても、私の声は母の耳には遠い。
実子を信じず、赤の他人のやってるテレビを信じる不思議。

…私、実子の上に一応元医療畑の人間なんですけど。テレビよりは信頼してくれていいと思うんですけど
(;ω;)。

そんな母は大動脈瘤オペで入院が決まっており、私に「ご飯は炊かなくてもいいように冷凍庫に冷凍チャーハン入れとくからね」「前日に野菜とかは買って冷蔵庫入れとくからね!」…と、まるで私が幼子かなにかのような面白い心配をしております。

…親から見ると子供はいつまで経っても子供とか聞きますけど。
幼子だと思われてるから私の言葉は信頼して貰えないのでしょうか。

――だけどお母ちゃん。事実を客観的に見ようね? 
お母ちゃんはもう80近いでしょう。私ももう立派なBBAですぞ?

チャーハンはありがたく頂くけども…。