被災地で被災直後からずっと営業し続けている店とか、不眠不休で復旧作業をする人たちとかを、『神対応』と表現しているのをよく聞く。

もちろんこれは褒め言葉、それも最大級の褒め言葉だろうとは思う。

でも、違和感を覚える。

本当の神様なら、全知全能不老不死だから、『神対応』をするのは簡単だろう。

でも実際にそれをやっているのは人間。生身の人間だ。
自身だって被災者だ。
その人達は多分、自分の睡眠時間を削って、ご飯を食べる時間を削って、トイレに行く時間を削って、その素晴らしいサービスを提供している。
家に老親や幼い子供、或いは身重の奥さんを残しているかもしれない。それでも帰らないで、現場に居続けている。

それは文字通り生身の人間が自分の血肉を削って生み出しているサービスである。
『神対応』なんてきれいな言葉であっさりと片付けてしまっていいものなのかと、思う。