30代の前半、不正出血が続き、生まれて初めて産婦人科をドキドキしながら受診しました。

あの大股開きのあられも色気も無い診察台に乗り診察を受け、検査を受け…
Drより告げられます。


「癌ですね」


「恐らく間違いないですが、一応今日の検査の結果が出るのを待って診断確定したら、オペ等今後のことを考えましょう」

ということで、再診予約をして、帰宅しました。



この時私は、役職では無いですがその店舗で1人だけのちょっと特殊な職務に就いていました。
なので、癌とか言われて真っ先に考えたのは、

「困った。仕事、どうしよう」

ということでした。

自身がその職務に就いた時は、他店舗の同じ職務の人にベタ付きで1ヶ月教えて貰いました。それでもいざ独り立ちすると、まだまだ心許なかったのを覚えていました。
つまり、私が後任に教えるとしても1ヶ月は欲しい。
そして募集をかけて後任がすぐ来るとも限らない…

とても憂鬱でしたが、黙っているわけにも行きませんので、上司に報告しました。

上司も、やはり後任はすぐには見つからないだろうということで、とりあえず私の入院が短期であるならば、その間店長や役職者で、私の仕事を分担してやってしのぐという話になったようでした。

私も上司も、自分の仕事があります。
お互いの仕事の合間を縫って、私は上司に自分の仕事を教えました。
でも1日に10分とか、そのくらいしか仕事の合間なんてありませんでした。



再診の日。
私は、仕事がそんな状態だったので、もし医師にすぐに入院をと言われても、仕事の引き継ぎが終わってからにしますと言おうと思っていました。
でもDrは言いました。軽い感じで。

「あ、癌じゃ無かったですよ。良かったですね~」





良かったですねじゃねーよ!


…いや、良かったのか?


…分からん…。



上司に癌じゃ無かった旨報告しました。
良かったと言って貰えました。
でも無駄にお騒がせしてしまって、申し訳なかったです。


ちなみに、

「良性の腫瘍です。積極的な治療は現時点必要ありません。でも癌に変身することもありますから、経過観察しましょう。次の予約は…」

と言って取らされた次の予約は、1ヶ月後だったか3ヶ月後だったか、忘れました。

行きませんでした。

なんかすごく馬鹿馬鹿しくなったというか、気が抜けたというか、空しくなったというか…。

自分は不正出血が日常生活や仕事に支障が出るのが嫌で、何とかしたいと思っただけなんですよ。
悪性だろうが良性だろうが、正直原因はどうだって良かったです。対症療法が欲しかったのです。でも、良性腫瘍ということで、「治療はしない」と言われてしまいましたから、もう行く必要を感じませんでした。



そして、未治療放置のままですが、アラフィフとなった現在、まだ生きております。
と言うことは、私の腫瘍は今のところまだ良性のまま居座っているのでしょう。
今後加齢により癌化する可能性はありますが、もうそうなったらそうなったでいいや、と思ってます。
今は無職なので、そうなっても仕事の引き継ぎの心配とかしなくていいし、とても気楽なものです。