人並みに夢を見ますが、大概ろくな夢じゃありません。
今朝方は、死んで幽霊になった夢を見ました。

幽霊になったので、膝から下の足がありません。
なので歩いて進めません。
地べたに腹ばい両腕を使い、地を這って進むのが、幽霊のスタンダードな移動方法なのです。
そう、あの有名ホラー映画でテレビ画面から這い出てくるあの美人幽霊のような状態を、想像して頂ければいいと思います。

(なんや、生前想像してた幽霊の生態とちゃうなあ…)

幽霊は自在に宙を飛べるものかと思っていましたが、現実はそんな夢のあるものでは無かったようです。

(まあ、ええか…愚痴ってもしゃあない、馴れるしかあらへんのやな…)

幽霊なので、体が重いとか、すぐ疲れるとか、そういうことはないのですが、それでも生前あまりしたことのない移動方法に馴れず、先輩幽霊諸氏のように素速くは動けません。

のったらのったら太りすぎのオオサンショウウオのように、私は幽霊専用レーンを進んでおりました。

幽霊専用レーン。
そう。そういうものが在るのです。
正式名称は知りません。幽霊専用レーンは私の付けた仮称です。

幅50センチくらいの浅い側溝…いえ傾斜のないウォータースライダーのレーンみたいなものを想像して下さい。
そこに乳白色のぬるま湯のような綿雲みたいなものが満たされています。

生者の目には見えませんが、地球上にはこのような幽霊専用レーンが網目のように張り巡らされています。
片道数車線の大きな通りもあります。そういうのは左から登坂車線、普通車線、追い越し車線となっているようです。
そこら辺は生者の高速道路と同じですね。



さて、私は幽霊初心者なので、いきなり大通りを通るのが恐いので、片側1車線の細いレーンを通っていました。
しかしそのチョイスが誤っていたようで。
不慣れな自分は速度が出せないため、後ろに幽霊が詰まってしまいます。

(これはアカン。他の方々に迷惑掛けとる)

自分は車線を外れて、左横の側溝(多すぎる綿雲が流れ込むように側溝を掘ってあるようです)に一旦入ることにしました。
不慣れな這い這いでの車線変更に手間取り、ようよう側溝に移動した自分の右横を、待っていたかのように数人の…いや、数体の?幽霊が追い抜いて行きます。
みんなイライラしつつも微妙な表情というか、
(まあ、しゃあないか、不慣れなときは自分もそうやったなあ…)
みたいな感じで追い抜いて行きました。
しかし最後尾に女学生の3人組の幽霊がいました。
スカートはあります。スカートから足は出ていません。
プリーツスカートをひらひらさせながら、3人は私の脇を通り過ぎながら、

「おっせーんだよ、ぼけえ!」

と言いました。

うわ、むかつくわあ、こいつら

と大人げない自分は思いました。
思わず手を伸ばして、お嬢さんのスカートをペろ~んとめくりました。
私「げっへっへ、おねーちゃんパンツ何色~?」
幽霊「きゃーーーー!。゚(゚´Д`゚)゚。」


目が覚めてから反省しました。
もしも死後も世界があったなら。
そこでのマナーとモラルを守る幽霊にならなければと思いました。