ネット上の中傷対策、侮辱罪に懲役刑導入 法制審総会で諮問へ

という記事をYahoo!で見ました。


ネット上での誹謗中傷が横行し、それが原因と思われる自殺者も出ていることから、侮辱罪の厳罰化と時効の延長を検討していく、と言うことのようです。

これに対し、コメント欄では、賛成の声が目立つ一方、
中傷と批判を区別しないとただの言論統制になってしまうのでは?
という意見が結構目に付きました。
発信側は批判のつもりでも受けた側が中傷と受け取ることもある。
受け側が中傷と思ったらそれは中傷である…という判定法では、おちおち批判もできない。それは言論統制ではないのか? 
という趣旨です。



BBAもちょっと考えてみました。
結論としましては、
そもそも誹謗中傷と批判、評論、意見、指摘、感想の区別を明確につけるのは無理じゃないのかな?
と思いました。


例えばAという、ものすごく滑舌の悪い役者さんが居たとします。
この人のことをネットに
「Aへたくそ。引っ込め。○ね」
と書いたら、これは誹謗中傷に該当するだろうなというのは分かります。

「Aってほんと滑舌悪いよね。訓練とかでどうにかならないのかな?」
これは誹謗中傷ではないだろうなと言うのも分かります。



では
「Aってほんとに下手だよね。役者向いてないんじゃないかな? やめればいいのにね」
という書き込みはどうか?
書き込んだ人は、
ほんとのことを書いただけだし、思ったことを書いただけ。これを中傷と受け取られても困る。
と言うかもしれません。
Aが「赤の他人の書き込みなんて気にしないわー、ガハハ」という性格なら問題ないですし、なにくそと思って奮起しちゃうタイプならこれも問題ないですけど。
Aは役者でごはんを食べている人です。それを「向いてない」「やめろ」と言われたら、性格によってはとても傷つき、自身を全否定された感じがするんじゃないでしょうか。
或いは自分の演技に自信を持っていたら「下手とはなにごとだ。名誉毀損だ。誹謗中傷だ」
と受け取るかもしれません。



つまり、人によって、同じ人によってもその時々によって、どこからが中傷でどこまでが批判かの線引きが変わってくるグレーゾーンがあると思うのです。

心ない誹謗中傷は許されるべきではありません。
言論統制も勿論許されるべきではありません。

ですが、実際にそのさじ加減を決める審議や裁判は、とても難しいだろうなと、思いました。