竹藪伐採地にて。
今年も梅がほころび始めました。


このまま冬枯れのまま季節が止まってほしい


…などといくら私が思っても。
季節は容赦なく進み、時間は流れていきます。

私は恐ろしい。
梅は嫌いじゃないし、本当は春だって嫌いじゃないけども。



昔、「綿の国星」という少女コミックがありました。
その中で、様々な植物たちが冬の眠りから目覚めて急速に育ちだす春のことを、
「なんとすごい なんとすごい季節でしょう」
と主人公のちび猫が表現していました。
ちび猫は子猫なので、体験する初めての春です。
その素直で飾らない表現が、彼女が初めて体験するまさしく「萌えいずる」季節への感嘆を、過不足なく表していたと思います。


春は素晴らしい季節です。
私だって嫌いなわけがありません。本当は。

でも私は、この竹藪伐採地を維持管理していかなければならない。
毎年毎年、同じように春は巡ってきて、梅が咲けばそのあとは、ヘビイチゴやカタバミ、カラスノエンドウ、ヒメジョオンやハルジオン…
それから竹と丈高い雑草が繁茂します。

でも私は毎年毎年老いていく。
雑草と戦う力が毎年少しずつ衰えていきます。

だから毎年めぐってくるこの素晴らしい季節を手放しに喜べない。

それがとても悲しいです。