現在年金は65歳から貰うのがスタンダードです。
でも支給開始年齢は、60歳~75歳までの間で自分で決められます。
65歳より早く貰い始めると、年金額は少なくなります。
65歳より遅く貰い始めると、年金額は多くなります。


ものすごくざっくり言うと、
65歳開始で貰える年金額を100万円/1年とすると、

60歳から貰い始めると70万円/1年に、
70歳から貰い始めると140万円/1年に、
75歳から貰い始めると180万円/1年に、

なります。


1度決まった年金額は、終生変わりません。
(物価を考慮した微調整の増減などはありますが、ここでは考えません)、
60歳から貰い始めた人は、その後70歳まで生きても75歳まで生きても、年金額は年70万円から変わることはありません。

だったら先送りして75歳で貰うのが1番得なのかと言えば、一概にそうとも言えません。



たとえば80歳までしか生きなかった場合、

・65歳から支給開始した場合の総受取額は
 100万円×15年=1500万円
・70歳から支給開始したら
 140万円×10年=1400万円
・75歳から支給開始したら
 180万円×5年=900万円

となり、65歳から貰っていた方がお得になります。


83歳まで生きれば、
65歳開始=100万円×18年=1800万
70歳開始=140万円×13年=1820万
75歳開始=180万円×8年=1440万

93歳まで生きれば、
65歳開始=100万円×28年=2800万円
70歳開始=140万円×23年=3220万円
75歳開始=180万円×18年=3240万円

なので、

93歳よりも長生きするなら、75歳支給開始がお得、
83歳よりも長生きするなら、70歳支給開始がお得

にはなります。

(実際には、年金額が中途半端に多いと税金や保険料が上がったり、政府のバラマキ給付金の対象から外れたりして、かえって割損になることもあり得ますが、ややこしいのでここではそれらは考慮しないで、単純に総支給額だけで考えています。)




しかし、自分が何歳まで生きるかの推定は難しい。というか実質不可能。

健康に気を付けていても病気になる時はなるし、災害や事故は気を付けようもありません。
年金を貰うのを楽しみにしつつ、受給開始前に亡くなるパターンだってあり得ます。
逆に自分は病弱なので長生きできないだろうと思って早めに年金受給開始したら、100歳まで生きてしまった…なんてパターンもあり得ます。
日本の年金システム、或いは日本自体が将来崩壊している可能性も否定できません。

そんなあれやこれやを考慮して、自分の受給開始年齢を決めなければなりません。

下手なゲームやギャンブルより、難易度高いんじゃないだろうか…(^^;)